フーテンのあるるかんの特撮三昧の備忘録

日常と特撮について語るブログです。

あるるかんのウルトラシリーズ名作セレクション第一弾ウルトラマンA第13話と第14話の感想考察レビューとして。

あるるかんの名作セレクションと題して昭和、平成、令和の垣根を超えてウルトラシリーズにおける名作をランダムに私なりの個人的感想を交えてレビューしていこうと思います。

 

そして第一弾として選んだエピソードはやや変化球ではあるもののやはりこれにすることにしました。ウルトラマンAより第13話の死刑ウルトラ5兄弟と第14話銀河に散った5つの星をご紹介いたします。

 

あらすじネタバレを含みますので、未見の方はご注意を。

 

簡単なあらすじとしては殺し屋超獣バラバにより兄の命を奪われた少年が警察やTACに取り合ってもらえぬうちに、遠い宇宙のかなたからウルトラ兄弟からのウルトラサインが浮かび上がり、衛星ゴルゴダへ向かうため北斗と南はウルトラマンAに変身し、マイナス宇宙にあるゴルゴダへと向かうのですが、それは異次元人ヤプールの狡猾な罠だったのです。ゴルゴダに集まったウルトラ5兄弟はその罠に落ちてしまい絶対零度の冷凍ガスにより身動きが取れなくなるウルトラ5兄弟しかし初代ウルトラマンの判断で、ウルトラマンAに光エネルギーをウルトラチャージすることでAを地球に向かわせることは出来ましたが4兄弟はゴルゴダの丘に十字架へと磔にされ、人質に取られてしまうのです。地球に帰還したウルトラマンAでしたが、ヤプールに4兄弟が囚われていること知りバラバに敗北してしまいます。

 

地球人類とTACに全面降伏を要求する異次元人ヤプール。そして人類は続く14話で衛星ゴルゴダを破壊し、ヤプールを叩こうとする作戦に出ます。それに猛反発する北斗は上官である高倉司令官に反論するのです。

 

これまで地球守ってきたウルトラ4兄弟を救うべきと進言するもその行動により、超光速ミサイルの誘導パイロットにあてがわれゴルゴダへと向かうのですが・・・。

 

その頃ゴルゴダでは異次元超人エースキラーを作り上げ、テスト用のエースロボットを血祭りにあげ粉々にしてしまうほどの脅威が待っていたのです。超光速ロケットで向かう北斗でしたが、途中故障に遭い、暗闇のモニターから聞こえる南の声にモニター越しでウルトラタッチをしてAへと変身。

 

そこに待ち構えていたエースキラーに大苦戦するウルトラマンAその窮地にウルトラ兄弟は残りのエネルギーを与え、ウルトラギロチンを強化したスペースQを繰りだし、エースキラーに勝利し、地球に帰還し、続けてバラバも撃破するというのが大まかなストーリーです。

 

 

このお話のミソは何といってもウルトラ兄弟の絆と人間側のドラマパートだと思います。それはゴルゴダに再到着した時のAのセリフ兄さんたち私もいっしょに死のうという覚悟がうかがえます。

 

そして人類の愚行というゴルゴダの破壊に対して、北斗とTACの面々が上層部に反旗を翻す姿も印象的です。何といっても竜隊長の男気ある鉄拳制裁は視聴者の代弁でもあったわけです。

 

ウルトラ第二期ではウルトラ兄弟の友情と絆が強く描かれていくのですが、それが強化され始めてきた、分岐点の作品がウルトラマンAであったと思います。その先鞭を切ったはずのウルトラマンAではこのお話からメインライター市川森一氏がいったんシリーズを離れてしまうのです。製作現場と上層部との軋轢もあったとは噂では聞くのですが市川氏の描きたかったウルトラマンは採用されず溝が生まれたところもあったでしょう?そして最終回のエースの最後の願いの言葉につながると思うと腑に落ちるものはあります。

 

 

ゴルゴダもキリストが磔になり処刑された因縁の場所クリスチャンであった市川氏の希望は立たれて英雄であるウルトラマンを磔にした因果もあり感慨深いものがあります。

 

優しさを失わないでくれ、弱いものを労り、互いに助けあい、どこの国人とも仲良くしようとする気持ちを失わないでくれ、その気持ちが何百回裏切られようとも。このセリフが名言であると同時に、市川氏の敗北宣言、挫折と苦悩の象徴である辞世の句のようにも感じられます。

 

平成になり、ウルトラマンメビウスでも取り上げられており、変わらぬ願いでもあると締めくくられ、令和ではウルトラマンZの名づけ親として客演し、話題を集めました。そのZは最後の勇者として、この宇宙から争いをなくすことを後進に託した希望の象徴市川イズムが継承されたと感じらたお話でもありました。

 

これからもランダムにこういった形でご紹介させていただきますね。それでは・・・。