こんにちは、あるるかんです。本日はウルトラセブンの中でも、異色作の一つの数えられる「盗まれたウルトラアイ」のレビューをしようと思います。
このお話では異星人の異形の姿や怪獣は一切登場せずただマゼラン星からの侵略用ミサイルが登場と輸送用の宇宙船が描かれるにとどまっているのみでウルトラセブンの十八番である宇宙人や怪獣の戦闘シーンは全くない本当に人間ドラマに焦点を置いた作品です。
そしてウルトラセブンことモロボシダンが最後に変身アイテム「ウルトラアイ」を奪われたお話でもあり、マゼラン星からのスパイとして送り込まれた「マゼラン星人マヤ」はウルトラセブンを変身不能への工作を行うまさに侵略者なのですが…。彼女は母星にも裏切られてしまう非業の運命をたどります。
ムカエハマダカ・・?そう繰り返される暗号通信にも応答がなく、彼女はこんな狂った星に侵略する価値はあって?とダンに言い放ちひたすらに母星からの返信を待ち続けたが・・・。母星から切り捨てられたことが発覚すると、彼女は自滅の決断をして、消滅するのです。
ダンは夜の街をさまよい、なぜこの星で一緒に生きる道がなかったのだと嘆き交じり惜別の言葉を吐きだします。あまりに無情で救いのない展開ですし、新進気鋭の実相寺監督と脚本上原正三氏のタッグで作られた骨太のドラマ性と物語が描かれました。
いわゆる特撮番組でも予算が底をつき始めていた頃の製作現場の台所事情もあったかとは思われますが怪獣を登場させなくても成立することを証明したウルトラセブンの中でも珠玉の作品であったと思います。
55周年記念の新予告も置いておきます。