フーテンのあるるかんの特撮三昧の備忘録

日常と特撮について語るブログです。

大変ご無沙汰しております。久々の更新は今春公開のシン仮面ライダーでいこうと・・・

時代が望むとき仮面ライダーは甦る。1971年故石ノ森章太郎先生の企画原案原作によってテレビシリーズとして放送された特撮アクション番組、それが仮面ライダーでした。

 

 

社会と科学の発展に裏に潜むその暗部としての秘密結社ショッカーにより改造されてしまった青年本郷猛がはからずも得た力を能力用いてその身体能力駆使し、異形の姿「仮面ライダー」へと変身し、力なき人類に味方し、ショッカー-からの裏切り者の烙印を押されながらも同じく改造手術を受けて脳改造を受けたいわば同胞のような怪人たちとの激闘を繰り広げ、巨悪ショッカーとの闘いを描いた本作。それが物語の骨子であり、昭和から平成令和へと連綿と続く特撮ヒーローの一角ともなりました。

 

その50周年記念作品の一つとして制作されたのがこのシン仮面ライダーでした。製作の指揮を取ったのはシンゴジラやシンウルトラマン、シンエヴァンゲリオンなどを手掛ける庵野秀明氏でした。

 

シンウルトラマンの衝撃とブースト効果も相まってシン仮面ライダーはどのような作品になるのか個人的にも期待は大きくなっていきました。

 

 

そして公開の前夜祭の日に鑑賞してきました。まず結論言えば素晴らしかった。夢中で見てしまった。そして何より令和の世界で昭和から受け継ぎ発展させた新解釈の下に紡がれた物語とアクションシーンの数々に息をのみとにかく圧巻の出来であったのです。

 

本郷猛を演じた池松壮亮氏と一文字隼人を演じた柄本佑氏の共演も対比がしっかり演じ分けられナイーブなコミュ障の本郷と明朗快活でニヒルな一文字というテレビの初期版と漫画版での主人公に寄せた演出に好感を持ちました。

 

ですが、それを上回るキャラクターとしての存在感は緑川ルリ子役の浜辺美波さんの演じ方とそのルックスによってスクリーン画面のドアップの絵が完全成立してしまう、キャラ立ちに女優としての魅力を感じました。彼らの運命の歯車は噛み合わさり、ドラマパートと深みを持たせることに成功しました。

 

ところどころに見受けられるテレビや漫画への原典に対するオマージュやリスペクトも感じられ、マニアやオタクならニヤッとさせられるネタも含まれている点も個人的には高評価のポイントでした。

 

ただ熱心なファンやオタク、マニアではないと理解できない要素もあってそこは置いてけぼりになった人もいるのではないとは思ったりもしましたが…

 

戦闘シーンでも物議をかもしたらしいショッカーライダーとのバトルシーンも個人的には再現できない雨での戦闘とバイクアクションを漫画版へ寄せれない現実を受け入れ作品として成立するだけのクオリティ維持するための苦渋の選択でもあったし。それが暗闇でのトンネルシーンへの移行ととらえますが果たして・・・

 

最後にネタバレを含みますけども、死亡した本郷の意思を遺した新たなライダーマスクと新しきライダースーツを身に纏った一文字隼人が二人で一人の仮面ライダー第二号+一号となり、改良されたニューサイクロン号を駆りふたりで会話しながらサイクロンの排気音を聞きながら走行し、疾走するシーンで終わるのがとても心地よく最後のレッツゴー仮面ライダー、ロンリー仮面ライダー、かえってくる仮面ライダーの三連曲に涙したおっさんでした。仮面ライダーは時代と共に颯爽と現れて飄々と敵を倒し、いずこともなく去っていく孤高のヒーローなので・・・。