フーテンのあるるかんの特撮三昧の備忘録

日常と特撮について語るブログです。

血を吐きながら続ける悲しいマラソン・・・。悲劇の復讐者「ギエロン星獣」

こんばんは。あるるかんです。ちょっと間隔は空きましたが、体調がすぐれず自身にやきもきしておりました。

 

今宵の話題はウルトラセブンより「超兵器R1号」について感想レビューをしていこうかと思います。このお話のテーマは反核と軍拡競争の危険性というゼロサムゲームのような地球外の異星と外交努力を怠る軍備増強合戦の危うさがこのエピソードでの中核を担います。

 

大まかなお話の流れとしては地球防衛の名目で軍備増強を狙う地球防衛軍、その指令室で嬉々として超兵器の重要性を説く、フルハシ隊員たち。

しかしモロボシダンことウルトラセブンは険しく厳しい表情を浮かべ、フルハシに詰め寄ります。地球を守るためになら何をしてもいいのかと?我々は超兵器を誇示し知らしめることが重要だ、地球は狙われているんだ・・。しかし侵略者はそれを上回る超兵器を作り、侵略してきますよ。とダンが食い下がるとフルハシもまた我々はさらに強力な   超兵器を作ればいいじゃないか?

論戦は平行線をたどり、血を吐き続けながら続ける悲しいマラソンですよと去り際に語り、地球と地球人類に与し、愛したウルトラセブンことダンはその愚行がどうしても許せずまたその間で理解も出来ている自身の心の揺らぎもあることに迷います。これがのちの平成6部作最終章のフレンドシップ計画にまで及ぶのですが・・・。

 

そして賽は投げられたのでした、生物のいないとされるギエロン星を超兵器の実験に選びそのトリガーをひいてしまった人類はもう逃れようもないいわば宇宙の掟に背くような行為を愚かにも行動に起こしてしまったのです。そして母星を超兵器R1号によって破壊されたギエロン星獣がその人類の愚行への報復にやってくるのが大まかなストーリーなのですが、超兵器に搭載されていた核兵器で進化したギエロン星獣はその核兵器がもとで放射能をまき散らし、地球を死の星へと変えようとする、悲劇の復讐者として人類に立ちふさがるのです。そもそも人類の愚行が招いた人災であり、その事実は紛れもない侵略行為への布石に取られても反論できないところです。

 

しかしセブンは決断し、ギエロン星獣と対峙し、最後はアイスラッガーで喉元を搔っ切り絶命を迎えたギエロン星獣。セブンは地球と宇宙の両方の間で揺れ動く両義性のはざまで苦しみ続けた苦悩のヒーローでもありました。現行のシン・ウルトラマンでも母星と対立して断罪を受けることになっても地球人類を愛したウルトラマン=リピアとセブンの姿が重なるのです。平成セブンでは彼は幽閉されてしまうのですが・・・。

 

ウルトラセブンは地球と人類を愛したがゆえに、地球への帰化を望んだ異色のヒーローでもありました。

 

現在隣国では取り返しのつかない核ミサイルの実験を行ったり、果ては侵略戦争を仕掛け、罪なき人々の命を奪う残酷な行為を見せられるにつけ、人類はまだ進化には至ってはおらずこれ以上の蛮行を起こさないで欲しいと切なる願いを置きこの記事を締めくくらせていただきます。